明るい社会づくり運動 庭野日敬師

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管理者の挨拶(INDEX)
明るい社会づくりの為に!
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庭野日敬師プロフィール
【昭和44年4月】
 四国大会の講演
 (仏教の教えを生活に生かそう)
昭和44年9月】
 西中国推進大会
 (物心一如)
【昭和51年】
 全国総会の挨拶
 
(英知と共に)
【昭和54年】
 全国会長会の挨拶
 (宗旨、宗派を乗りこえていく努力を)
【発足25周年】
 発足25周年を迎えての
 インタビュー
 (思いやりに満ちた心豊かな社会
著書「この道」
 一仏乗の世界をめざして
【全国協議会第10回総会】
  での挨拶から
  拓塾への期待と激励
庭野日敬師の目ざす
 「明るい社会づくり運動」


明るい社会づくり運動の
 目指す社会とは


庭野日敬師の世界平和論

リーダーの条件

 元明るい社会づくり運動
 拓塾塾長 佐藤秀裕氏
明るい社会づくり運動
  三十周年にあたって


 前明るい社会づくり運動
 拓塾長 坂本尭氏
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明るい社会づくり運動
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【明るい社会づくり運動のリーダーの条件】 

自己を見つめ、他人を見つめ、未来を見つめよう

「よいリーダー」にならなくてはいけないと意気込んで「自分が」よいリーダーの条件を満たそうと必死になるあまり、回りが見えなくなってしまう・・・・。ということが「真のリーダー」から遠ざかっていくことになる。
「立派なリーダーになるための条件」として理想的な能力・資源・ビジョンが存在し、それを追うという発想はまちがった思いではなかろうか。「よきリーダーの条件」を考える前に自分を見つめ、他人を見つめ、未来をみつめてみよう。自分を見つめるということは、実践と理論の協調の中で自己認識を深め、自己を形成していくことである。「人づくり」の第一義は、他人にとやかく言う事ではなく、自己を見つめ形成することであろう。他人を見つめるという事は、他者を通して、自分を見つめることである。そして未来を見つめるとは、自己の進むべき目的を的確に見極める力を得るべく努力する事である。
「リーダー」というものが存在するためには、フォロアーの存在が必須である。フォロアーが存在するから、リーダーの存在があると言った方がよい。「よいフォロアー」あっての「よいリーダー」である。リーダーの類型として、権威主義的リーダー・民主主義的リーダー・自由放任的リーダーがあげられる。権威主義的リーダーとは、かつての日本、ドイツに多かった権威をもって統率しようするタイプである。権威主義的社会におけるリーダーシップで、権威をふるえる者(弱い者・地位の低い者等)に対して高圧的にふるまう。心理状態としては、反抗出来ない他者をいじめるがごとくする事で、自己の支配欲、権力欲に酔いしれ、又、不安を解消し、自己の存在を確認しようとしている。
それゆえに権威主義的性格は、一見偉そうに見えるものの、権威を振える相手に心理的にたいへん依存しているため、中身は意外にもろいと言える。民主主義リーダーは、リーダーもフォロアーも個々人が自由にして平等な存在であり、互いに協力し合って成り立っている関係である。
縦社会の支配と服従関係に対して、横社会の協力関係の中にあるリーダーシップといえよう。縦社会のリーダーは支配するために地位や権力を示し、横社会のリーダーは仕事を果たすための責任と権限をもつ。
良いリーダーの役目の最も重要な点として人(フォロアー)の能力を引き出し、人がいかに積極的・能動的に働けるようにするかということを考えると、民主主義的リーダーは、これに該当する。
人をおさえつける権威主義的リーダーは、この重要な役目を果たしえない。歴史上、偉大なリーダーであったカーネギーの墓碑に、次のような言葉が刻まれている。「彼は特別な才能は無かったけれど、人の才能を生かすという才能を持っていた。」自由放任的リーダーは、自分からは何もしないが、相手から要求された場合は、最小限働くというタイプで、頼まれて会長になったというような場合、このタイプが多い。
「リーダーシップ」という言葉を、あたかも人の持っている能力や素質、又は資産であるかのように使う場合がしばしばあるが、本来は、ある集団における役割(集団の関数)ある状況における機能(状況の関数)であると考えるのが正しいであろう。従ってリーダーシップは「身につけるもの」というよりも、ある集団、ある状況の中で、リーダーシップという関数が最も有意義な形で表れるためには、どうしたらよいかを考慮すべきである。フォロアーの性格により、又その時に平和な社会であるか、戦争時であるかにより、要求されるリーダーのタイプも変わってくる。
そのような考えの上にたってリーダーの仕事として以下があげられる。
(1)どの様なビジョンを持って、どの様な方向に引っ張っていくか。
(2)集団の和につとめ内部をまとめる。
(3)目標達成・仕事の効率の為に人の参加を促す。
その中で最も重要なのは、(2)集団の維持だと言われている。集団のまとまりがあればある程、目的が達成しやすい。又、しっかりとした同じ目的を共有できれば、まとまりは強固なものになる。
「明るい社会づくり運動」は二十一世紀を、そして世界的視野を目指して進めている運動である。世界の状況の中で、今の日本において明るい社会づくりとはどのような目的を持つことなのかを確実につかみ、未来へのビジョンや見通しを確実に与えることによって、集団の和が強くなり、目的達成に近づくであろう。
先頭に立って号令をかける事のみをリーダーと考えるのではなく、人の後から、後押しをし、人の能力を引き出し、生かすことを第一に考える人間を「真のリーダー」と考え、目指して欲しい。

あなたがたは世の光である。(人々を導く事)

あなたがたは地の塩である。( 自己の色や形をなくして社会にとけこみことに
                         よって、味つけをし、社会の腐敗を防ぐ)

(新約聖書・マタイによる福音五‐十三・十四)

平成三年七月
明るい社会づくり運動全国協議会 
拓塾々長 佐藤秀裕

明るい社会づくり運動 「拓塾報」創刊号 p‐8
 平成四年七月六日発行より

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